
雨上がりでも施工できる?季節・気温・湿度別の可否と品質対策
「雨上がりにそのまま塗れる?」――答えは条件付きで可能。
路面含水・気温・湿度・露点(結露)を満たせば品質は確保できます。本記事では可否判断の基準・塗料別の施工温度・乾燥時間の目安・当日の段取りを実務目線で整理しました。
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可否の基本ルール(速見表)
| 条件 | 目安 | 可否 | 理由/対応 |
|---|---|---|---|
| 路面の水たまり | 残っている | 不可 | 排水→ブロワ/ワイパーで除水、自然乾燥を待機 |
| 表面が湿っている | 手で触れて湿気あり | 基本不可 | 赤外線/温風で乾燥、日照を待つ(含水は密着不良の原因) |
| 気温 | 5〜35℃(塗料による) | 条件付き可 | 低温は乾燥遅延、高温はムラ/ダレに注意 |
| 相対湿度 | 85%以下目安 | 条件付き可 | 高湿は白化/艶引け、露点差を要確認 |
| 露点差 | 路面温度 − 露点温度 ≥ 3℃ | 可 | 差が小さいと結露リスク大(不可) |
| 降雨予報 | 施工〜乾燥完了まで降雨なし | 可 | にわか雨の恐れは工程分割・別日へ |
結論:「濡れていない/露点クリア/天候安定」なら雨上がり当日でも施工可能です。
塗料別の施工温度・湿度
水性アクリル
- 施工温度:10〜35℃目安
- 湿度:85%以下
- 特徴:低臭・速乾。低温/多湿に弱い
溶剤アクリル
- 施工温度:5〜35℃目安
- 湿度:85%以下
- 特徴:初期耐水に比較的強い
MMA樹脂/熱可塑系
- 施工温度:0〜35℃(配合で変動)
- 湿度:85%以下
- 特徴:高耐久・厚膜。雨雲時は結露注意
※メーカー仕様が最優先。現場では「路面乾燥」「露点差≥3℃」を必ず確認します。
路面別ポイント(アスファルト / コンクリート)
| 路面 | 雨上がりの注意点 | 対策 |
|---|---|---|
| アスファルト | 粗面の溝に水が残る。夏場は表面温度が高くムラが出やすい。 | ブロワで溝の水飛ばし→日向から先行。高温時は希釈/塗り幅を調整。 |
| コンクリート | 毛細管水分が残りやすい。油分やレジン残渣で密着低下。 | 油分洗浄・軽研磨→含水チェック。必要に応じプライマー使用。 |
露点と結露の見抜き方
- 露点差 = 路面温度 − 露点温度が3℃以上なら安全側。
- 朝夕・雨上がりの曇天は要注意:温度が下がると結露しやすい。
- 簡易判断:路面に透明フィルムを置いて2〜3分、曇れば結露リスク。
乾燥時間の目安(季節別)
| 条件 | 指触乾燥 | 歩行開放 | 車両開放 | メモ |
|---|---|---|---|---|
| 夏(30℃/50%) | 5〜10分 | 20〜40分 | 60〜120分 | 直射は皮張りに注意 |
| 春秋(20℃/65%) | 10〜20分 | 40〜60分 | 120〜180分 | 標準 |
| 冬(5〜10℃/70%) | 20〜40分 | 60〜120分 | 180〜360分 | 低温で遅延、厚塗り厳禁 |
※塗料・膜厚・風速で変動。雨雲接近時は工程を小割り(区画ごと)にして段階開放します。
当日の段取りと品質対策
- 気象確認:降雨レーダー・風速・湿度の推移を確認、工程を区画割り。
- 乾燥処置:ブロワ・モップ・吸水、必要なら温風/赤外線で局所乾燥。
- 下地処理:砂塵除去、油分部は洗浄→プライマー。
- 塗装順:面塗り → ライン → ピクト → 番号。乾燥を待って重ね塗り。
- 品質チェック:密着・膜厚・にじみの有無。夜間/休日は写真記録を残す。
露点差3℃路面乾燥区画ごと段階開放プライマー
よくある質問
小雨が残る予報。強行すべき?
推奨しません。乾燥前の降雨は白化・剥離の原因。確実に晴れ間が続く時間帯のみを切り出して施工します。
屋内なら雨上がりでも関係ない?
屋内でも湿度と露点は影響します。シャッター開放時の外気流入や結露に注意し、換気と除湿を併用します。
乾燥を早める方法は?
薄膜・小面積で区切る、送風/温風、速乾グレードの塗料選定。気温が上がる時間帯(昼前後)を狙うのも有効です。
写真だけで概算見積もり
天候を踏まえた最短スケジュールをご提案。費用と開放時間の目安を当日ご案内します。
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