
ライン引きの保証期間とメンテ周期|長持ちさせる運用ノウハウ
区画線の寿命は塗料種別・交通量・下地状態・清掃頻度で大きく変わります。
現実的な保証の考え方、塗料別の想定耐久と最適メンテ周期、劣化サインの見極め、部分補修と全体更新の判断基準まで、長持ち運用のコツをまとめました。
最終更新:
保証の考え方(対象・期間・除外)
| 項目 | 一般的な取り扱い例 | 補足 |
|---|---|---|
| 対象 | 著しい剥離・密着不良、施工起因のムラ | 歩行・走行等の通常使用で発生し、かつ施工不良が疑われる事象 |
| 期間 | 施工後 3〜12か月(塗料・環境により変動) | 屋外・高交通量は短め。屋内は長めのケースも |
| 除外 | 雪かき・重機旋回・オイル漏れ・融雪剤・想定外摩耗 | 運用起因・化学薬品・自然災害・第三者破損は対象外が一般的 |
| 対応 | 現場確認後、部分補修または再施工 | 原因特定のため写真・使用状況の共有がスムーズ |
契約前に保証書・除外条件・色の許容差を明文化しておくとトラブルを防げます。
塗料別:想定耐久とメンテ周期
| 塗料種別 | 想定耐久 | おすすめメンテ周期 | 向いている環境 |
|---|---|---|---|
| 水性/溶剤アクリル | 2〜4年 | 毎年点検、2〜3年で部分補修+4年で更新 | 一般駐車場、低〜中交通量 |
| MMA樹脂(常温硬化) | 4〜7年 | 毎年点検、3年毎に要所補修 | 商業施設・物流・屋外で高耐久優先 |
| 熱可塑(溶融式) | 5年以上 | 2年毎のライン復旧点検、5年目安で再描画 | 交通量多・重車両・幹線内通路 |
| 屋内エポキシ/ウレタン | 3〜6年 | 毎年点検、2〜3年で再塗強化 | 立駐・工場床・粉塵対策が必要な環境 |
耐久は下地(アスファルト/コンクリート)・清掃/デブリ・タイヤ旋回の影響が大きく、現場差があります。
要再塗装の劣化サイン
サイン1
色褪せ・白ボケ
青や赤は退色が早め。面塗りが薄いとムラが目立ちやすい。
サイン2
端部のめくれ
高圧洗浄不足・浮き下地・旋回箇所で発生。放置すると剥離が拡大。
サイン3
視認性の低下
雨天・夜間に見えづらければ事故リスク。再描画の合図です。
半年〜1年ごとの巡回点検(写真保存)で、劣化の進行を定量把握できます。
部分補修 vs 全体更新の判断
| ケース | 推奨対応 | 理由 |
|---|---|---|
| 局所的な剥離・矢印/番号だけ摩耗 | 部分補修 | コスト最適・ダウンタイム短縮 |
| 広範囲で退色・線幅がばらつく | 面単位で再塗装 | 色ムラ是正・視認性の均一化 |
| レイアウト変更を予定 | 消去+再設計 | 既存段差解消・誤誘導防止 |
- 夜間・休業時間を活かす:営業影響を減らしつつ短期で更新。
- カラー区画は先行更新:退色が早い箇所から先に手を入れると効率的。
- ピクト・番号はステンシル再利用でスピード補修。
年間保守計画の組み方
- 期初点検(月1〜4):写真台帳を更新。退色率・剥離箇所を洗い出し。
- 優先度付け:歩行者動線・交差部・入口導線を最優先に。
- 予算化:部分補修:X万円/年+更新積立:Y万円/年を設定。
- 繁忙/閑散期の計画:店舗は繁忙期を避け、夜間ロット施工を基本に。
- 引渡基準の明文化:色番号、線幅、養生時間、保証条件を合意。
写真台帳夜間ロット優先度管理更新積立
よくある質問
保証は色あせも対象になりますか?
多くの場合、自然退色は保証対象外です。施工起因の密着不良・大きなムラは対象となることがあります。契約書で条件を確認してください。
再塗装のベストタイミングは?
夜間や休業日に合わせ、視認性が7割以下に落ちた時点で部分補修、5割以下で面更新が目安です。
部分補修を繰り返すと色ムラになりませんか?
なります。面で切る境界を事前に決め、一定周期で全体更新を組み合わせると美観を維持できます。
写真だけで概算見積もり
退色や剥離の写真を送るだけ。最短当日に補修案・更新案と費用感をご案内します。
退色や剥離の写真を送るだけ。最短当日に補修案・更新案と費用感をご案内します。


