すべり止め・ノンスリップ仕様は必要?歩行者動線の安全基準【ParkingLine】

すべり止め・ノンスリップ仕様は必要?歩行者動線の安全基準

雨天や傾斜、屋内床の粉塵などで転倒事故リスクが上がる現場では、区画線や通路のノンスリップ(すべり止め)が有効です。
必要性の判断基準、歩行者動線の安全基準、塗料・骨材の選び方、コストとメンテ周期、設計の注意点を実務目線で解説します。

最終更新:

ノンスリップが必要になる場面

ケース1

雨水・油分が残りやすい

出入口付近、ドレン周囲、屋内の油分付着が多い箇所は優先度が高め。

ケース2

勾配・スロープ

立体駐車場のスロープや歩車共存エリアの横断帯は滑り抵抗を高めて安心。

ケース3

高齢者・車いす動線

バリアフリー区画周辺は止まれる・踏み替えやすいテクスチャが有効。

歩行者が停止・方向転換する場所ほど滑り抵抗が重要です。車両旋回部は骨材粒度を調整し、摩耗による目詰まりを避けます。

歩行者動線の安全基準と評価指標

指標概念目安値の例備考
CSR / μ 表面のすべり抵抗係数 乾燥路面:0.6以上、湿潤:0.4以上 現場条件で差あり。相対比較に有効
BPN(振子試験) 濡れた状態での防滑性の目安 屋外歩行帯:45〜55以上 下地粗さ・骨材分布で向上
視認性 コントラスト・色差 白/黄帯+濃色ベースまたは青/緑の面塗り 濡れ色でも視認できる配色が◎

施設の内規や保険条件に沿って評価方法と合格基準を合意しておくと、引渡しがスムーズです。

仕様の選び方(塗料・骨材・膜厚)

仕様構成特徴向き/注意点
骨材散布型(ビーズ/珪砂) 下塗→上塗→骨材散布→クリア薄掛け コスパ良、粒度で調整可 靴底に優しい粒度#30〜60が無難。清掃で目詰まり回避
MMA樹脂・ノンスリップ MMA樹脂+着色+骨材プレミックス 高耐久・速硬化・低温可 臭気対策と換気に配慮。夜間一発仕上げと相性◎
エポキシ/ウレタン(屋内) 下地調整→プライマー→主材砂骨仕上 耐摩耗&防塵、カラー自由 油分は徹底脱脂。湿気硬化型は結露に注意
熱可塑ライン+骨材封入 熱溶融材→骨材同時転圧 車両部に強い摩耗耐性 段差と音に留意。歩行帯は粗さを抑える
粒度設計速乾仕様臭気対策清掃性

設計のコツ(帯幅・見切り・色)

  • 帯幅:歩行帯は600〜1000mm、横断帯は300mm×複列が見やすい。
  • 見切り:ノンスリップ面の端部はなだらかに。段差でつまずきを作らない。
  • 配色:濡れ色でも識別できる高コントラスト。夜間は反射ビーズを併用。
  • 車両部との切替:歩行帯は細粒、車両旋回部は中粒〜粗粒でグリップ確保。
  • 排水計画:溜まり水は滑りの元。勾配・排水口を考慮して帯位置を決める。

費用とメンテ周期の目安

内容目安費用(税別)メンテ周期備考
カラー歩行帯(砂骨ローラー・1㎡) ¥3,000〜¥6,000 2〜3年で補修 骨材散布+上塗り1〜2回
MMAノンスリップ(1㎡) ¥6,000〜¥10,000 3〜5年で補修 速硬化・夜間短時間施工に最適
屋内エポキシ砂骨(1㎡) ¥4,000〜¥8,000 3年でトップ更新 粉塵防止に有効。脱脂が鍵

清掃(高圧・床洗浄)で骨材目詰まりを防ぐと、体感グリップと寿命が伸びます。夜間・土日祝は小計の+40%が目安。

よくある質問

ノンスリップはタイヤ摩耗や音が大きくなりませんか?

粗粒すぎると走行音が上がります。歩行帯は細粒、車両旋回部は中粒といったゾーン別粒度で最適化すれば快適性を保てます。

冬季や雨天でも施工できますか?

水分と路面温度が鍵です。常温硬化MMAなど低温対応材を選ぶか、加温・乾燥を行えば施工可能なケースがあります。

滑りにくさはどのくらい維持されますか?

交通量と清掃頻度で差が出ます。半年ごと点検と必要に応じて骨材追い撒き・トップ更新を行うと安定します。

写真だけで概算見積もり
現場写真(濡れた状態が分かるもの)と用途を送るだけ。最短当日に仕様案と費用感をご案内します。