新設アスファルトに白線を引くタイミング|養生期間の目安と注意点

新設直後のアスファルトは油分(ブリード)と水分が残り、塗料の密着不良や変色が起きやすい状態です。
季節別の養生期間の目安、簡易テストのやり方、プライマー選定と施工順序を実務目線で解説します。

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なぜ養生が必要か(ブリードと含水)

POINT 1

アスファルトの油分ブリード

舗設直後はバインダー内の油分が表面ににじみ出やすく、塗膜の黄変・ベタつき・密着不良の原因に。

POINT 2

含水・アルカリの影響

雨後や締固め不足で含水率が高いと乾燥が遅れ、白化・気泡・はじきが発生しやすくなります。

POINT 3

初期沈下と骨材の安定

交通荷重で初期沈下が起こる期間はラインの割れ・歪みが出やすいため、数日〜数週のなじみ時間が必要です。

季節別:養生期間の目安

下表は普通配合・一般駐車場を想定した目安です。交通量が多い・厚層舗装・透水性舗装は長めに見ます。

季節/条件目安期間補足
夏(平均気温28℃前後・晴天)3〜7日高温で乾燥は早いがブリード強い。夜間施工で熱ダレ回避
春秋(15〜25℃・乾燥)1〜2週間最も安定。雨天明けは+2〜3日
冬(10℃未満・多湿)2〜4週間乾燥遅延・結露注意。低温向け塗料を選定
透水性/開粒度舗装2〜3週間含水の抜け待ち。プライマー必須
屋内搬入路など高荷重2週間〜初期沈下・わだちを見極めてから

※ 上記は目安です。最終判断は簡易テストと当日の気象条件で行います。

着工前チェック(簡易テスト)

  • 白タオル拭き:強く擦って明確な黒汚れが付く→ブリード中。もう数日様子見。
  • テープ密着:マスキングを貼り剥がして骨材粉が大量に付く→表面が不安定。プライマー濃度UP。
  • 散水→乾き時間:30分以上濡れ斑が残る→含水高め。好天を待つ。
  • 赤外線温度:路面温度10℃未満→低温対応塗料に切替。

プライマーと塗料選定

推奨1

アスファルト用シーラー

ブリード抑制・吸い込み止めの下塗り。希釈率乾燥時間を厳守。

推奨2

水性アクリル/低臭溶剤

屋外は作業性の良い水性が主流。低温時や重交通にはMMA/熱溶融も選択肢。

推奨3

二度塗り・十分な膜厚

初期吸い込みを織り込み、2回塗り+乾燥確保で発色・耐久を確保。

低温硬化速乾耐摩耗ブリード抑制

施工フローとスケジュール例

  1. 舗装完了・養生開始:交通開放は最小限。散水や油染みを避ける。
  2. 現調&簡易テスト:路面温度・含水・ブリードを確認。
  3. レイアウト墨出し:区画割・矢印・ピクトの位置決め。
  4. 下地処理:粉塵除去・油分洗浄・必要部のみプライマー。
  5. ライン描画:ライン→ピクト→番号の順で二度塗り。
  6. 乾燥・開放:歩行30分〜、車両1〜3時間目安(塗料による)。
条件モデルスケジュール備考
春秋・標準駐車場(30〜50台) 舗装→1週間養生→夜間1日でライン+ピクト 翌朝開放可
夏・小規模(〜20台) 舗装→3〜5日養生→夕方〜夜間で一気に施工 ブリード強→プライマー必須
冬・大型案件 舗装→2〜4週間養生→日中2日施工 低温硬化型を採用、結露注意

開放時間は気温・湿度・風で大きく変わります。前日・当日の天候で最終判断します。

よくある質問

舗装の翌日に白線を引けますか?

夏場の小規模でも翌日は基本的に早すぎます。最低でも数日、通常は1週間前後の養生を推奨します。

早く色がにじんでしまった原因は?

ブリード高・膜厚不足・乾燥不良が主因です。下地処理+プライマー+二度塗りで改善します。

透水性アスファルトでも同じですか?

含水が抜けにくいため長めの養生(2〜3週間)と、吸い込み止めのプライマーを強く推奨します。

概算見積り・お問い合わせ

舗装直後の現場は写真(全景・近景・日付)があると判断が早くなります。季節・規模に合わせて最短スケジュールをご提案します。

※ 天候により日程が前後する場合があります。夜間・土日祝の割増や諸経費の扱いは御見積時に明記します。