退色の早い現場の原因特定|日射・タイヤ摩耗・塗膜厚の見直し【ParkingLine】

退色の早い現場の原因特定|日射・タイヤ摩耗・塗膜厚の見直し

「塗って半年で薄くなった…」そんな現場は、原因の切り分けが近道です。
日射(UV・熱)、タイヤ磨耗、薬剤・油分、下地含水、塗膜厚不足をチェックし、塗料・仕様・運用を最適化。計測手順と改善策、費用感をまとめました。

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STEP 1症状から当たりをつける

見え方疑われる原因一次確認
南面・屋上階など日当たりの強い面だけ早い退色 UV/熱による顔料劣化・樹脂劣化 日照マップ、サーモグラフィ、色差計(ΔE)で比較
車輪の旋回部・減速帯前だけ薄い タイヤ摩耗・段差踏みでの機械的摩耗 走行軌跡、旋回半径、粗骨材露出の有無を観察
油染み付近・EV区画の充電ケーブル下がまだら 油分・可塑剤・薬剤(融雪剤/洗剤)による軟化 溶剤拭き取りテスト、界面活性剤の残留確認
塗装直後から白ぼけ・艶引けが早い 下地含水・低温結露・希釈過多/膜厚不足 含水率測定、気象ログ、膜厚計(DFT)

STEP 2現場計測|日射・温度・塗膜厚

日射・温度

  • 方位と周辺反射(白壁・ガラス)を記録
  • 路面温度:夏場は60℃超のことも。熱だまりに注意
  • 屋内は照度・換気で黄変/曇りの傾向を確認

塗膜厚(DFT)

  • 基準:白線は0.4〜0.8mm相当を目安(仕様により変動)
  • 面塗りや重交通部は厚めに。サンプル板で事前承認
  • 塗り回数と希釈率の記録を残す

下地・汚染

  • 油分テスト:白ウエス+希釈溶剤で拭取り→汚れ量を確認
  • 含水率:雨上がり・冬季は特に測定
  • 旧膜段差:上塗り時のエッジ摩耗加速の要因に

STEP 3主因別の対策(実務)

日射・熱が主因

  • 耐UVグレードの顔料・樹脂を選定(高耐候アクリル/MMA/熱溶融)
  • 濃色は発熱しやすい。明度を上げるor遮熱顔料採用
  • 膜厚UP+トップコートで保護(現場環境次第)

タイヤ摩耗が主因

  • 旋回部は幅増し・厚膜仕様に設計変更
  • 減速帯・段差直後のラインは位置をずらす設計
  • 重交通は骨材入りノンスリップや熱溶融で耐摩耗強化

油分・薬剤が主因

  • 脱脂洗浄→プライマー→上塗りの三段工程を厳守
  • 融雪剤・強アルカリ洗剤の使用ルールを掲示
  • EV区画はケーブル受け保護マットを併設

膜厚不足・含水が主因

  • 気温・湿度に応じ可使時間・希釈率を調整
  • 結露時間帯を避け、加熱/送風で路面乾燥
  • 上塗り回数を増やしDFT基準を満たす

STEP 4推奨仕様例と費用感

ケース推奨仕様目安費用(税別)備考
日射強い屋外の白線 高耐候アクリル2回塗り+トップコート ¥800〜1,400/m 基準DFT確保・色差管理
旋回部・搬入口 厚膜MMA or 熱溶融+骨材散布 ¥3,000〜6,000/㎡ 重交通向け。乾燥/硬化時間に注意
油染みの多い区画 脱脂→エポプライマー→耐油塗料 ¥2,000〜3,500/㎡ 下地処理に工数が乗る
カラー区画(青/緑) 遮熱顔料+厚膜ローラー仕上げ ¥3,000〜6,000/㎡ 夏季の温度上昇を抑制

※規模・下地状態・夜間施工の有無で変動します。正式金額は写真・現地確認でお出しします。

STEP 5メンテ周期の見直し

  • 四半期ごとに色差(ΔE)と代表点の膜厚を点検
  • 重交通部は局所補修→全体再塗装の二段運用でコスト最適化
  • 洗浄ルール:高圧の当てすぎ回避、薬剤希釈の徹底
  • 次回発注用に、仕様・数量・気象ログを台帳化
退色原因の現地診断を無料でご提案
写真と簡単な使用条件(台数・時間帯)をお送りください。最短当日に概算費用と改善仕様をご提示します。

よくある質問

色の指定(ブランドカラー)は可能?

マンセル値やDIC番号の近似で再現可能です。屋外は耐候顔料の都合で近似色になる場合があります。

どのくらいの頻度で塗り直すべき?

一般駐車場は2〜4年、重交通・日射強い現場は1〜2年での部分補修+3〜4年で全面更新が目安です。

熱溶融やMMAは高い?効果は?

初期費用は上がりますが、高耐摩耗で更新周期が延びるためライフサイクルコストが下がるケースが多いです。