
既存白線の上塗りはNG?長期耐久を狙う再塗装の正解
「上から塗るだけ」が最安に見えて、早期の割れ・剥がれを招く典型例です。
正解は、下地判定 → 必要箇所のみの除去・研削 → 適正プライマー → 膜厚設計。現場チェックの要点と費用感をまとめました。
最終更新:
上塗りOK/NG判定の基準
| チェック項目 | OKの状態 | NGの状態(除去推奨) |
|---|---|---|
| 付着強度(テープ/スクレーパー試験) | テープにほぼ付着しない、削ってもエッジが立つ | テープで剥離、削ると層間はがれが広がる |
| チョーキング・粉化 | 粉が手につかない、表面が締まっている | 粉が多量に付着、指で白くなる |
| 段差・ひび割れ | 段差1mm未満、亀裂なし | 段差>1〜2mm、亀裂追従あり |
| 路面汚染(油・レジン・タイヤ痕) | 局所のみで除去可能 | 広範囲の油染み、レジン残渣で濡れ色 |
- 迷ったら部分除去+上塗りのハイブリッドが基本。全除去はコスト高、全上塗りはリスク高。
- 屋内は臭気制約が大きく、材料選定の幅が狭い=下地精査がより重要。
長持ち再塗装の正しい手順
- 現地調査:付着試験、含水・路面温度、油分テスト、段差計測。
- 下地処理:高圧洗浄→油分除去→必要箇所の研削(ショット/サンダー)。粉化層は確実に撤去。
- プライマー:下地・旧塗膜・気温に適合したものを選定。
- 本塗装:線幅・ピクトに合わせたマスキング。2回塗りで発色と膜厚を確保。
- 開放管理:乾燥/養生時間を厳守。夜間は誘導と閉鎖区画を明確化。
再塗装で最も多い不具合は「下地処理不足」と「乾燥時間不足」です。
プライマーと塗料のおすすめ組み合わせ
| 現場条件 | プライマー例 | 上塗り系統 | ポイント |
|---|---|---|---|
| アスファルト/健全旧膜 | アクリル系浸透型 | 水性アクリル2回塗り | 低臭・速乾。夜間改修向き |
| コンクリ床/吸い込み大 | エポキシ系シーラー | 水性 or 溶剤アクリル | ピンホールと吸い込み止め |
| 油染み履歴あり | 油面対応プライマー | 溶剤アクリル | 脱脂+試し塗り必須 |
| 重交通・主動線 | 密着向上プライマー | 熱可塑(溶融式) or 高耐久塗料 | 段差と騒音へ配慮 |
低臭速乾難付着面対応厚膜
膜厚と段差対策(美観と耐久の両立)
- 旧膜の段差が1〜2mm超なら、エッジ研削+パテでバニッシング(段差ぼかし)。
- 再塗装は2回塗り・総膜厚0.4〜0.6mmを目安。主動線はさらに厚み確保。
- ピクトは滲み防止マスキング+先行シーラーでエッジをシャープに。
費用・時間の目安
| 内容 | 目安費用(税別) | 時間目安 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 上塗り主体(100m・下地良好) | ¥60,000〜¥90,000 | 半日 | 洗浄+2回塗り |
| 部分除去+上塗り(100m) | ¥90,000〜¥150,000 | 半日〜1日 | 研削・パテ含む |
| 広範囲除去→全面再塗装(100m) | ¥150,000〜¥220,000 | 1日 | ショット/研削・養生込み |
夜間・土日祝は+40%、諸経費+10%、正式金額は現地確認後にご提示します。
よくある質問
上塗りだけだとどれくらい持ちますか?
下地が健全なら2〜3年は持つケースもありますが、粉化や油汚染が残った上からの上塗りは1年未満で劣化する例も。判定と下地処理が寿命を左右します。
全部剥がすと高くなる?部分でいい?
コストと耐久のバランスで部分除去+上塗りが最有力。全面剥離は初期費用は高いが仕上がりは最良。現場条件で最適解が変わります。
営業中でも工事できますか?
可能です。夜間や区画閉鎖の分割施工で対応。誘導サインと開放時間の管理で安全に運用します。
写真だけで概算見積もり
既存ラインの状態が分かる全景・近景を送ってください。
上塗り可否の判定、必要な除去範囲と費用・工程をご提案します。
既存ラインの状態が分かる全景・近景を送ってください。
上塗り可否の判定、必要な除去範囲と費用・工程をご提案します。


