
バリアフリー対応区画(車いす・優先)|法規・サイズ・表記ルール
車いす使用者・高齢者・妊産婦・ベビーカー利用者などに配慮した優先駐車区画の作り方を、サイズ、ピクト、色、標示・看板のセットで解説。
既存駐車場への後付け導入手順と費用感、運用ルールまで実務視点でまとめました。
最終更新:
基本仕様(サイズ・色・ピクト)
| 項目 | 推奨仕様 | 補足 |
|---|---|---|
| 区画サイズ | 幅2.5〜3.5m × 長さ5.0m程度 | 車いす乗降を想定し、ロードスペース(乗降帯)を隣接して確保 |
| ロードスペース | 幅1.2〜1.5m × 長さ5.0m | スロープ・リフトの使用を想定(斜線マーキング+「立入禁止」) |
| 色 | 青ベース+白ピクト | 視認性と慣習に合わせる。屋内は低臭・防滑塗料を推奨 |
| ピクト | 国際シンボルマーク(白) | JISサイズ相当で統一。文字併記は「優先」「専用」等、施設方針に合わせる |
屋内や傾斜部はノンスリップ仕上げ(骨材入り)を選ぶと安全性が高まります。
レイアウトと動線(ロードスペース)
Point 1
入口に近い配置
出入口・エレベータ・スロープまでの最短動線を確保。段差や傾斜は極力避ける。
Point 2
乗降帯の確保
区画の左または右に1.2〜1.5mのロードスペースを併設。斜線+注意文言で誤駐車を防止。
Point 3
通路幅と車止め
バック誘導がしやすい通路幅を確保し、車止め(輪止め)で歩道側の安全距離を担保。
風除室・柱・壁との干渉をチェックし、ドア開放角度が十分か現地で確認します。
路面表示と看板の表記ルール
| 要素 | 推奨表記 | 目的 |
|---|---|---|
| 路面ピクト | 車いすマーク(白) | 一目で区別できる視覚表示 |
| 文字 | 「優先」または「専用」 | 施設ルールの明確化(専用は厳格運用) |
| 看板 | 「身体障害者等用駐車区画」 | 対象者を具体化し、誤駐車時のお願いを併記 |
| ロードスペース | 斜線+「乗降帯」 | 区画内の人の存在を周知し、侵入を防止 |
「優先」と「専用」は運用難易度が異なります。専用は管理の同意形成と取り締まり方針を先に決めましょう。
既存駐車場への後付け手順
- 現地確認:動線・段差・勾配・路面状態・通行ピークを調査
- レイアウト案:区画+ロードスペース+看板位置の図面化(写真合成でもOK)
- 仕様決定:塗料(屋内は低臭・防滑)、ピクトサイズ、表記文言、車止め有無
- 夜間/休日施工:混雑を避け、面塗り→ピクト→文字→乾燥→引き渡し
- 運用開始:館内掲示・Web告知・誤駐車時の対応ルール共有
費用の目安
規模・下地状態・屋内外により変動しますが、概ね次のレンジが参考になります(税別)。
| 内容 | 目安費用 | 補足 |
|---|---|---|
| 面塗り(青)+ピクト大 ×1 | ¥18,000〜¥28,000/区画 | マスキング・下地清掃含む |
| ロードスペース斜線(1.2〜1.5m×5m) | ¥10,000〜¥18,000 | 文字「乗降帯」併記可 |
| 看板・ポール設置 | ¥20,000〜¥45,000 | 基礎・既存柱利用で変動 |
| ノンスリップ仕上げ | +¥3,000〜/㎡ | 屋内・傾斜部に推奨 |
| 夜間・土日祝施工 | 小計の+40% | 騒音/臭気対策と合わせて調整 |
既存区画の消去や補修が必要な場合は、剥離・洗浄費用が別途かかります。
運用ルールと誤駐車対策
- 多層表示:路面ピクト+看板+区画番号で重層的に周知
- 時間帯運用:開店直後〜昼ピークは特に巡回を強化
- 車止め・ポール:歩行者側の安全距離を確保
- 館内放送・館内サイン:誤駐車を見つけた際の柔らかなアナウンス文言を準備
よくある質問
優先と専用のどちらを選べばいい?
来客中心の施設は優先が運用しやすい傾向。医療・公共性の高い施設や台数が少ない場合は専用を検討します。
屋内で臭気が気になる…どの塗料が良い?
基本は水性速乾+防滑が安全。MMAは超速乾ですが臭気が強いため換気計画が前提です。
誤駐車を減らすコツは?
青の面塗り+白ピクト+看板の三点セットが有効。入口サインと場内の導線案内も併設すると効果的です。
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区画サイズ・ロードスペース・表記案まで、最短当日にご提案します。
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